「いつからでもOK!」|木村直の「紙パックおばさんのひとりごと」 第3号

投稿者: remanbe

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 フェイスブックを見ていたら、東京理科大学が基礎学力テストの結果を公開した中に、衝撃的な報告があった!というものがありました。
 
 「推薦入試組と一般入試組では正答率に大きな違いがある」という内容です。

 これについては、かなり前ですが一端を聞いたことがあります。私たちのおばちゃん合唱団に積極的に参加してきた男子がいましたが、彼は何事にもとても積極的で色々なことにも加わっていたパワフルな人でした。でも年度末近くに顔を見ないと思ったら、テストの出来が悪くて青息吐息…との情報が。何が?英語と数学が駄目だったようです。

 私たち田舎のおばちゃんから見ると、この大学に推薦で入ってくるからには、英数ができない…などとは信じがたいことでした。でもそれからも、似たような話が耳に入ってはおりました。
 今回のようにあからさまに数字が示されたので、私もそれ以来思ってきたことを書きたいと思います。

 4回目の選挙でマイクを通じて言うなどということは当落どちらであっても最後!と決めていました。一度も頼みに歩かず、告示後選挙カーでこのような私に物を言わせてやろう!と思っていただけるなら投票を…という型破りな選挙運動でした。どなたが票を投じてくださったのかは殆どわからないまま、中学校と高校の間で車を止めました。学校関係者の票がいただけたらナ…と思ったからです。

 でもそれをした二度とも、その後に「ところで子どもたち!勉強してますか?できないのではない、やっていないのです。自分のために勉強しなさい!」とマイクで呼びかけました。決して公文をやりなさい!と言ったのではありません。
 町民の方々がどう考えていたかを知るための覚悟の落選でもあり、涙もありませんでした。

 ところがその後3月までの一年の間に、中学三年生ばかりが8人入会したのです。元々たくさんの公文生がいて、小学生のうちに高校基礎課程分の終わりまで進んでいた人が2人いた学年です。

 その中に迷いぬいた挙句9月半ばに足を運んで来た野球少年がいました。野球への夢も入試で門前払いされては泡と消えます。決心して公文を始めた彼の数学学習の出発点は、何と加減からだったのです。

 その彼に「学校で100点満点でどのくらい?」と聞いたら「20点」と。でも覚悟が決まっていた彼は傍からの茶々にも全く応じることなく集中してプリントに取り組み続けました。

 結局丸6ヶ月間だけの学習で、希望の高校へと向かっていきました。闇夜の素振りもしていた彼は一気に能力を練り上げ、高校数学一番となり、専門学校でも優秀な成績を上げて救急救命士になり活躍しています。

 多分学校でのテストで50点を越えてきたのでしょう、彼の向上に刺激され12月入会者が2人…そのうちの1人は冷やかし気分で、初めて顔を出した人でした。そして出発点は分数から…

 「エェッ!?」と不満そうな彼に、
「あなたはそこそこできている、でも数学ができる!と自信を持って言えないよね?」と。

 学習すると決心した彼は、何と一ヶ月の間にその出発教材から中三教材までの約1000枚をやって大変身したのです。

 地元高校に進んだこともあってそのまま学習を続け、誰もが驚くほどできる人となりました。室蘭工大推薦入試も初の突破となり、大学での結果もすばらしく、現在一部上場IT企業で重用される立場となっています。

 このような例がある一方、英語でも5年生がABCから始め、その一年間で高校教材まで進み、その
間に英検3級にも合格した例があります。

 英数が苦手だ…などと悩んでいる学生さんがいたら、是非あきらめずに自分を変える努力をしてみたら?と私は思っている訳です。何しろ公文は赤ちゃんから大人まで、どなたであってもその方のできる教材から学習を始めるのです。

一度しかない人生なのに、自分を見失い後ろ向きに生きている人が増えていることを、いつも勿体ないと思っています。理科大推薦入試組の方だけでなく、誰であっても自分を高めようと決心さえすれば自分を変えることが可能です。

 時間を無駄にせず、易しいところから順にきっちり頭に入れ直し、自分で自分を誉められる努力をして、前向きに進んでみてはいかがでしょうか?