英語を身近なものに|木村直の「紙パックおばさんのひとりごと」 第5号

投稿者: remanbe

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(JR車内にて)

 外国へ行ったことがなく、旅行すらも殆どしないまま高齢者の仲間入りした私ですが、外国人と英語で話すことに熱中?している昨今です。

40代の頃、自分の状況では外国へ行くこととは無縁と痛感して、それならば日本にやって来る外国の方々と話せば、色々なことが聞けるのではないか…とひらめいたのです。
だからといって、そのような機会がおいそれと転がっているはずもありません。
 ちょうど国際交流のため、自宅に留学生を数日滞在させるという取り組みが始まっていました。恐る恐る留学生をお預かりしている友人宅を訪ね、型通りの挨拶くらいの会話からスタートしました。そんな経験を重ねるうち、本来おしゃべり好きですし、機会がある度話しかけるようになりました。本当にたくさんの国の方々が、すぐそこにいる!ということが分かったからです。
公文の研修で函館や札幌を往復するJRを利用する機会などに出会う方々との交流が主です。お聞きすることはどこ(の国)から来たのか、今どこへと向かっているのか、程度のことです。もちろん反応が良ければ次々と相手の質問から派生する話題へと進んでいく訳です。

 では、正確な英語で会話しているのか?といえばそうではありません。元々アバウトな性格ですし、話が通じさえすればそれでOK!単語を忘れたらボディランゲージでも十分伝えることができます。これまでに私が話した方々のお国は既に20数カ国、英語とは正に世界共通語と言っても過言ではない状況にあるようです。

 先日、上智大学の教授による日本人の英語に関してのお話を聞く機会がありました。日本の若者だけが、外国へ行かなくても…などという内向き志向が亢進しているそうです。その原因には英会話への苦手意識が根底にあるようです。これはこれからの国の未来をも左右しかねない、大問題なのです。

 私は教育問題全般への、国の猫の目行政こそが教育を悪化させてきた!と思っています。

大局的な見通しも持たない、お上によるあるいは担当者による場当たり的な改革(改悪)に教育現場が振り回され、知識や能力を向上させるべき対象である肝心の子どもに目を向ける余裕がなくなっているのでは…と。
 
 これまでにもゆとり教育だの、円周率は3で教えようだの、開いた口がふさがらない方策に日本人は振り回されました。基礎基本の段階できちんと教えるべきことと、そうでないこととが、取り違えられている怖さも私は感じています。今英語力が他国に比べ低いから授業を英語でさせよう!などと、指導する側を十分に育成もしないうちに、次々と発令されそうです。でもそれは、指導する側・される側双方ともに、ますます英語嫌いの国民を増やすのでは…と、心配です。
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(JR車内にて)

 正しい発音が理想ではありますが、決してネイティブやら帰国子女並みの発音が必要なのではありません。相手が何をどう言っているのかをしっかり聞き取る努力をし、自分が言いたいことをきちんと言えるようになる、それが大事なのです。英語に限らず、多方面のことを勉強する意味もそこにあります。間違ったら恥ずかしい…日本人のそんな気もちも邪魔しているかもしれません。会話では相手がどんなことを言おうとしているのかを、まずしっかり聞くことです。普通の会話でとんでもなく難しいことなど言う訳ではありません。単語をつなげるだけでも意思の疎通はできますし、間違ったら直せば良いのです。

 聞き取れなければ、同じ言葉を繰り返してもらい、それでも駄目なら書いてもらえば、何とか意思の疎通ができます。「日本人は、聞き返すと最初に聞いてきたことと違うことを言い、更に聞くとものを言わなくなる…」と残念そうに言った方がいました。三回ほども同じ言葉を繰り返すならば、何とかわかることが多いものです。

 国際社会で日本だけが取り残されるようでは、とても残念だと思います。英語は既に世界共通語として、色々な場面で必要とされます。本当にたくさんの国の方々が英語を使いこなしています。英語で和気藹々と意思疎通することから、様々な可能性が開けていくのではないでしょうか。お若い方々は、臆することなくチャンスを活かして意志の疎通を図り、広い世界に飛び出すべきでしょう。是非積極的に使ってみてください。そんなに難しくはないのです。自分の中にある能力を確認して、未来へとつなげていってほしいと願っています。