この記事は、はてなブログにて2014年5月より掲載していた「リマンベのシゴト論」を加筆修正したものです。
「東京理科大学長万部キャンパス」や「東京理科大学 長万部」「おしゃマジック」「長万部 美容室」などで検索しているであろう基礎工学部入学予定の方々は、ぜひ参考にされてみてはいかがでしょうか。
【プロフィール】
高橋信行
東京理科大学基礎工学部4年(当時)。奈良県出身。あだ名は「せんとくん」。
ーーーTwitter(@rikadai_2013)をとおして、長万部で寮生活をしている後輩へアドバイスを送っていたり、理科大の学生向けプログラミング学習講座の企画など、積極的な活動をしている高橋さん。DMを通して取材を申し込んだところ、快く承諾いただいた。長万部町の理科大キャンパス誘致から20年が経過。これまでベールに包まれていた「理科大生の生活」について、いま、明らかとなる。
【目次】
1.途中退場の入学式
2.長万部での寮生活突入
3.脅威のカップル誕生率「オシャマジック」4.長万部での遊び、過ごし方
5.町と理科大へお願いしたいこと
6.理科大の1年生へメッセージ
1.途中退場の入学式
「あれはシュールでした…」。入学式で、突然アナウンスが流れるんです。「それでは校歌を歌います。校歌が終わったら基礎工学部の学生は、速やかにバスに乗ってください。」と。武道館がざわつきますね。(理科大の入学式は、毎年武道館で行われる。基礎工学部の式中の退場は、通称「拉致」と呼ばれている。)
理工学部からは「マジで行くの!?」と冷やかしが入ったり。そこからバス乗り場まで行くんですが、ついてこない親御さんもいるようで。「一年間(北海道に)行ってくるね。夏には帰るよ」という話を交わしたりしているようでした。
そして、バスへ乗り込み、自分はおばあちゃんの隣の席だったので特に会話に困ることはなかったのですが、周囲の会話をよくよく聞くと、同じ部屋にいるような人がいそうで、「これからどうなるんだろう…」と思いました。
2.長万部での寮生活突入
ーーー長万部着いてからは?
長万部に着いたら祝砲が鳴りました!太鼓でドンドンとも。寮は4人1組の部屋で、男子寮は1、2、3号棟とありまして、自分は2号棟にいました。(16人で1クラスタ、このユニットが寮での活動においての基本単位となる。)1日目に「みんなの顔と名前知りたいな」って思い、クラスタの16人に「こんにちは」と挨拶をして、ラウンジに集合して話をしましたね。1日目に2号棟の全員80人と顔合わせしました。2日目に1号棟と3号棟の全部やりましたね。
ーーー北海道のご飯はどうでした?
1日目と2日目は本当に良かったです。牛乳は美味しいし、じゃがバターも美味しい、かにめしも。「これぞ北海道だ!」って思いましたね笑。それで、北海道だから「これからもずっと新鮮な牛乳かな」と思ってたら、既製品の紙パックの牛乳が出てきまして、ちょっと残念でした。外食の機会は多かったですね。「ミモザ」「しょうりき」「おどろ木」「大晶」など…。昼に学食は出ますけど、外に行って食べたりもしてました。
ーーーテスト前はどうでした?
徹夜で全員で勉強できるところなんで、「全寮制」の良いところって。分からなかったら友達に聞けますし、クラスタ同士にも聞いたり。それが良かったですね。みんなで助け合ってやってきました。ホワイトボードとか使いながら教え合ったり。こういう「協同作業」は寮生活で培いました。
3.脅威のカップル誕生率「おしゃマジック」
長万部は狭いので、カップルが出来たら、すぐに知れ渡ります。僕らの代では、飛び抜けてかわいい子が何人か居たんですが、そこに人気が集中して。その女の子が独りのときを見計らって話かけると、他の男子がみんな見てるんですよ笑可愛すぎると「アイドル化」して、誰もが手を伸ばせなくなってまして。だからなのか、「ナチュラルな感じ」の女の子はモテてましたね。俺でも手を伸ばせるって思えるような子ですね。
それで「オシャマジック」なんですが、僕らの代の女子は80人程居たんですが、半分の40人は彼氏ができてました。彼氏彼女ができてない人たちは、夏前やクリスマス前にギラギラしてまして。クラスター間。クラスターの中でもですね。
あとクラスターと何号等かでモテ度は変わる傾向にあったと思います。元気な(ヤツらが集まってる)棟、変な棟、3号棟はイベントも出ないような消極的な棟とかですね。楽しかった思い出としては、友達とかと夜7時~9時とか町にぞろぞろ歩いて、長万部公園とか海とかで「オシャカップル」を見つけたら、カメラのフラッシュで「ばしゃーっ!!」て激写を撮るんです。僕らはパパラッチ気分を味わい、カップルらには芸能人気分を味わってもらえたかと思います笑
おすすめデートスポットは八雲の「ハーベスター」(http://r.gnavi.co.jp/h053100/)ですね。1日中遊べますし、長万部生がいないから安心だと思いますよ。
4.長万部での遊び、過ごし方
長万部といえば「釣り」
朝の2時~3時頃に起きて、釣り竿を持って海へ。「釣り」ですね。あいなめ、あなごを釣って、その釣った魚を刺身やしゃぶしゃぶにして朝ごはんにします。とっても美味しかったですね。
自然豊かな環境を活かして「芝生の上で茶道」
茶道部をつくりまして、部員を呼んでグランドの「ど真ん中」にブルーシートを敷いて作法をやりました。そのへんの花を調べて、花
長万部は星がキレイ「布団のなかで星空鑑賞」
晩ご飯食べたあとにやりましたね。星空鑑賞。長万部って、星が本当に良く見えるんです。周りには街灯がなく、星の明かりがよく見えました。流星群が見られる日には、ポットにお湯を入れて準備し、地面に布団を敷き、コーヒーを飲んで寝転がりながら「あれがオリオン座かー」と眺めていました。これがすごく面白くて!内線で女子に電話をかけて、「一緒に星、見ようや」とも笑
10月くらいの時期に流星群が見られるのでそれをやったのですが、星空を見ながら(外に布団を敷いた状態で)寝ちゃってたんですよね。遊び半分で友達に置き去りにされてしまい。それで朝起きたら、夜露で布団がべちゃべちゃですよ。朝5時に泣きながら布団をたたみ、寮に着いたら置き去りにしたみんなを叩き起こしました。
男女集まり「海でキャンプファイヤー」
ホタテの貝殻でフリスビーをしたり、マイムマイムや花火などもしましたね。
鯉が住む公園「長万部公園で肝だめし」長万部公園に行ったはいいものの、熊が出るんじゃないかと本当に怖くてなり「…ねえ、帰るか」で終わりました。
5.理科大生から長万部町と理科大へお願いしたいこと
移動手段がもっと欲しいです
理科大で自転車を借りられますが、利用時間に制限が「2~3時間」とあり、自由につかえません。なので、長時間の外出、遠出の移動のときには教授にマウンテンバイクを借りることもありました。また、冬場は寮までの送迎バスなどがあれば助かります。歩くにも駅まで遠いですし。もし長万部の方がやっていただけるのであれば、大変ありがたいです!
泊まり込みでアルバイトができるところがほしいです
夏休みがくると閉寮になり、住めなくなってしまいます。でも、北海道をもっと見て回ってみたいので、北海道に残れるようなところ
が欲しいんです。
(リマンベ追記)ツイッター経由で以下情報提供がありました。「元町の民宿「シャマンの里」【@shaman12blues】にて住み込みボラバイト(食事付)が可能です。」オーナーの山内さんはバンド活動もされているので、軽音やダンス部に所属されている理科大生の方などは音楽のお話もできるかと思います。なお、「シャマンの里」では無線wi-fi完備のため、暇になっても安心です。
ホームページ:http://www.osyamanbe-kankou.jp/syousai/syaman.html、電話番号:01377-2-2157
月に1回、ラルズマートにミスタードーナツがくるような「出張販売」がほしいです
長万部で寮生活をしているとマクドナルドに飢えます。長万部でもファーストフードを食べられたら嬉しいです。
牧場に行ってみたかった
農家さんに声を掛けてはいけない感じがして…(できなかったですね)。乳搾りなど、やってみたかったです。農業体験の機会を町からいただければ。
「長万部にもう一度行ける理由」がほしい
きっかけがほしいです。「誰々に会いたいから」長万部に帰っておく、などの「飲み」というかは「出会いの場」ですかね。理科大の学生のためにも、長万部
6.理科大の1年生へメッセージ
「おしゃまんべ(での生活)楽しかった?」って訊かれたら、「楽しかった!」で言えるようにしてほしい。寮生活をしていると多少はダレてしまうとは思うけど、せっかくのいい機会だから、1日1日を無駄にしてほしくはないです。2学年にあがり、全寮制の北海道生活から東京生活に移ると、たいてい「ひとり暮らし」や「実家暮らし」となるため、長万部の友人とは疎遠になりがちになりますから。たまに東京でクラスタ同士で飲み会すると、たいてい「長万部」の話題になるので、長万部での寮生活をしている間に、日記をつけておいたら面白いかもしれません。話に花を咲かせるネタになりますしね。鉄板ネタを作れればいいですね。
行事などは、学校側が用意してくれますが、自分から提言してもいいんです。環境を生かしきる努力をしてほしい。全力で遊んでほしい。長万部は何もない町だからこそ、自分たちは何でもできるんです。無限の可能性があるんです。学祭も部活も、理科大の1年生だけでつくりあげます。1週間全て違う部活をやったりしてもいいんです。
あとは、「単位をとること」。フル単(全ての単位を取得すること)を目指してほしい。2学年からは精神的にキツくなり、留年率もあがります。全員が寮生活をしているので、分からないことがあればすぐに友達に聞けばいいんです。と勉強も大切ですが、長万部にいるうちは、勉強ばかりでなく、新しい遊びを創造してほしいですね。せっかくの機会です。全力で北海道生活を楽しんでくださいね。
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