【長万部町出身者インタビュー】エンジニア 水上光「自分がかっこいいと思ったものが、自分の価値観だから」

投稿者: remanbe

remanbe(リマンベ)は、デジタル時代の地方創生のモデルをつくりあげる、北海道長万部(おしゃまんべ)町のローカルメディアです。


この記事は、はてなブログにて2014年5月より連載していた「リマンベのシゴト論」を加筆修正したものです。

もうすぐ卒業シーズンということで、リマンベ編集部から地元の田舎に住む中高生のみなさんに贈ります。中高生のお子さんをもつ親世代の方、そして長万部の中学・高校の先生方にも、ぜひ読んでいただきたい内容となっています。気に入ったものがあれば、ご友人へシェアしていただければ幸いです。

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【プロフィール】
水上光
1990年4月27日生まれ。いずみ保育所、長万部小学校、長万部中学校出身。中学卒業後は地元を離れ、函館工業高等専門学校情報工学科に進学。5年間の寮生活を経験し、トップクラスの成績で卒業。20歳で上京し、現在は都内で国内大手情報通信会社に勤める。担当は国内外ネットワークの設計構築。入社3年目のネットワークエンジニア(取材時)。

ーーー「この会社との出逢いは、インターンシップでした。ネットワーク系にずっと興味があったので、名前を見たときは即決でしたね。」自身の得意な分野を追求し、インターンシップの体験を経て「この得意分野なら、自分の力を活かせる」と実感したという。遡ると、小学生のときのインターネットとの出会いが、彼のシゴトを導いたのかもしれない。

出会いは小学生のとき

正直、小学生のときは無趣味な子供でした。習い事もスポーツクラブも所属せず。ただ友達とか遊んだり、走り回ったりしてました。そんな子供時代に感銘を受けるものがありました。「インターネット」です。小学5年生くらいのときに家にパソコンがきて、そこからインターネットをやる機会が一気に増えました。

当時のインターネットには、「おもしろフラッシュ(参考サイト)」など、面白いコンテンツがいっぱいあって、「こんなに面白い世界があるのか!」と衝撃でしたね。そうこうしているうちに、ITの世界へ入っていきましたね。そしてパソコン好きが高じ、さらには家族や親戚の推薦もあって、高専に進学しました。

高専に入ってからは、専門的な話になってしまいますが、プログラミングやハードウェア、ネットワークやデータベースなどを体系的に学び、そのなかで「ネットワーク」が自分に合ってることに気付きました。なんというか、楽しかったんです。構築したネットワークが、パソコンとパソコンが「つながる瞬間」が好きで、楽しかったんです。自分で機器いじってる感だったり、自分で作ったネットワーク完成する瞬間が好きでした。

たまに通信が上手くいかないときもあって、「じゃあなんで通らないんだ?」って問題分析します。原因を少しずつ特定していって、ついに繋がったらすごく嬉しかったですね。壁にぶつかったときほど、クリアしたときの喜びは大きいじゃないですか。上手くいかないことがある。でも、原因は必ずそこにある。その問題解決をしていくのは、パズルを解くというか、論理的な思考が試されて非常にやりがいを感じましたね。

ネットワークで社会に対してできること

ネットワークを専門にした根本思想は、小学生のときの「インターネット、楽しいな」という気持ちです。その楽しさがあるんです。最近で言えば、YouTubeだったり、Facebookだったり、LINEだったり。世界中の人が、そんなコンテンツを簡単に利用できる、そういう土台・基盤をつくることができますから。

現在、会社では公共系の仕事、主に官公庁の案件を担当しており、仕事をしているときに「仕事を通じて社会に対して影響を与えてるな」って本当に思います。自分がやっている仕事が、社会に対して役立ってるということを。その分、抱える責任も半端ないですが。。。ネットワークをやるにせよ大きなことをしたいですね。

20代のうちには、SI業務(システム設計構築)のプロジェクトマネージャーとして案件を回せて、かつ人間的に頼られる人材になりたいですね。

自己研鑽の観点でいえば、ネットワーク分野の最高峰試験である、CCIEという資格の取得が目標です。また、「かけ算のスキル」として、ネットワークと密接につながる「セキュリティ」や「サーバ」に関する知識も深めていく必要があると考えています。

世界は、もっともっとネットワークでつながりますから。いま、みなさんがこの記事を読んでいるのも、ネットワークという基盤があって、人と人がつながっているからです。

「長万部出身です」というだけでネタ

社内の他部署や社外との交流のときに自己紹介することがよくあるんですが、出身については「桃鉄にある駅ですよ」って言えば、食いつきがいいですね笑。ある程度上の方には「テレビでネタをやってるひとです(由利徹)」と言いますし、20代・30代は、「まんべくん」で食いつきます。

場所の紹介の仕方は、「(右手を「C」の形にして)ここが函館で…、(右肩を指して)ここが札幌で…その間の(肘を指して)ここが長万部です。」って言えば、ウケますね。あとは「理科大あります」だったり、「理科大の女子寮は天然温泉なんですよ」と紹介しても食いつきがいいですね。

「趣味はなんですか?」と訊かれたら「カラオケが趣味です」と返して、「なぜかというと長万部は遊ぶところがカラオケしかないから」という自虐的な紹介も笑

同級生のうち、首都圏に出てきているのは片手で足りるほどの人数です。こっち(首都圏)にでてきてるのは5人くらい。同級生のなかには(連絡をとってなくて)行方不明の人もいますが、片手で足りる程の人数だと思います。

僕の学年は50人いて、そのうちの20人くらいが地元に残っていると思いますが、他の学年を比べると、けっこう多い方だと思いますよ。年に2~3回は地元に帰ってみんなで集まってますね。10人くらい集まってワイワイやってます。最近はみんな社会人となって忙しく、集まれる機会は貴重なので、この繋がりを大事にしていきたいですね。

「自分の好きなことを見つけておくこと」

それって、将来(の人生において)何かしら携わってきます。あって損はなく、むしろ、ないと損するものです。その「自分の好きなもの」の探り方や堀り方は、「何が楽しいか」ですかね。

マンガを読んでいて「この主人公のこれがカッコいいなー」とか、何気なくマンガを読んだりテレビを観たり、映画を観たり。そういったときに「何で(このシーンは)かっこいいと思ったんだろう?」とか「なんで可愛いと思ったんだろう?」って、自分に対して「なぜ」を問うこと。

僕はインテリアやカフェなど、お洒落な空間が好きなんですけど、「自分はどういうテイストのものが好きなのか」と考えたときに、まずは自分が「こういうのがいいな」と思えたものを集めるんです。

「お洒落部屋」を例にすると、「こういう観点のお洒落も素敵だな」とか、「この人の部屋のここのセンス、好きだな」とか思った写真や記事をひたすら集めます。すると、その集めた画像や雑誌、写真などの「もの」は、一覧にしてみると、思いのほか客観的に見ることができます。

情報量が多くなると、それだけ客観的に自分の価値観を見ることができます。こういう思考のなかで、自分の中の価値観にぴったりとしたものが見つかるんです。きっかけは何でもいいんです。自分がかっこいいと思ったものが自分の価値観なんですから。そうしてるうちに、好きなことは見つかると思いますよ。

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